2006年 06月 25日 ( 1 )

札幌交響楽団第490回定期演奏会 2006.6.24

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札響の第490回定期演奏会に行って来ました。
場所は札幌コンサートホールKitara。

演目は以下の通り。

指揮/高関 健(札響正指揮者)
ピアノ/清水和音
管弦楽/札幌交響楽団

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)

これはもうもう、世界一好きなラヴェルのピアノ協奏曲が聴きたいがために早々と
行くことを決めていた演奏会でした。
ソリストが清水和音さんと言うのも、大きな動機でした。
25年前、弱冠20歳でロン=ティボーコンクールで優勝され、一大センセーションを巻き起こした清水さん。優勝直後に、札幌で札響とベートーヴェンの皇帝を共演されたのを
私は夢中で聴き、鮮烈な印象を焼き付けられたのです。
あの、清水さんがラヴェルを弾く!勇んでホールに向かいました。

ただ、今日のオープニングはいつもといささか違った様相を呈していました。
それは、先日亡くなられた、札響の桂冠指揮者であった岩城宏之さんを追悼する
演奏から始まりました。
曲目は、シューベルトのロザムンデより抜粋。会場一帯が厳かな雰囲気に包まれました。
岩城さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

さて、本来のプログラムへ。
一曲目のストラヴィンスキーは、実は聴いたことがなかったのですが、
ストラヴィンスキーらしい斬新さと、ロマンティックな甘さを両方兼ね備えた素敵な曲でした。様々な場面が展開され、聴いていてバレエの情景が次々と目に浮かんできました。
何と言ってもコンサートマスターの伊藤亮太郎さんのソロが大変素晴らしかった!優雅で高貴な音色に魅了されました。

続いて、待ってましたのラヴェルです!
パシッと言う鞭の一撃からピアノが軽やかに鳴り出すと、もうすっかり心は踊っています。
清水さんのピアノは、しっかりとした音でありながら、まろやかでもあり、軽快に進んで行く、ラヴェルのピアノコンチェルトにすごく合っていると思いました。
中でも高音部の華やかさが秀逸!鍵盤たちが生きているかのように、清水さんのタッチに応えてポンポンポンと、気持ちよく溌剌と跳ね返って来ます。
オケもそんなピアノに誘導されたり、また逆にリードしたり、絶妙のチームワークを発揮してあっという間に1楽章は終了。

次は私が最も愛する2楽章。
35小節のピアノソロが始まると、清水さんの世界にすっかり引き込まれてしまいました。
何と言う音!優しく切なく、でもそれがしつこすぎず、優美な旋律が適度な節度を持って弾き進められていきます。遠い日の想い出を懐かしみながら、でもしっかり前を向いて歩いて行く、と言うような・・・。
清冽な意志を持ったピアノソロに、私は打たれまくりました。もう、この時点で涙が出て止まらなくなっていました。
曲の終盤は、このメロディをコール・アングレが奏でて、ピアノは伴奏に回ります。
清水さんは隠れ過ぎず、出過ぎず、抜群のコンビネーションできっちりと主旋律のサポートをしながら音楽を引っ張って行きました。そして全てを終えた最後のトリルは、この上ない滋味にあふれ、ただただ、美しかったです。
ああ、ただただ、泣けました。

疾風怒濤の3楽章、もうこれはドキドキ感がたまらない演奏でした。小気味良いピアノに対し、最初少々遅れ気味?の部分もあったオケの反応も、どんどんと良くなり、
胸躍る駆け合いに、こちらも知らず知らずのうちに体を揺らしていました。
最後のバスドラの一撃でフィニッシュ!
ブラウ゛ォ!私もびびも、手が真っ赤になるまで拍手しました。
やっぱりラヴェルはいい〜!
いっそう大好きになりました、ピアノ協奏曲最高!!!

後半はペトルーシュカです。
元々有名でもあり、ピアノに編曲もされていて、あの「のだめ」でも取り上げられたこともあってびびもものすごく楽しみにしていた曲でもあります。
なんと、ピアノパートにはラヴェルに引き続き、清水さんが担当されるではありませんか!?\(◎o◎)/!これは嬉しい驚きでした。(札響のHPではそのことが書かれてありましたが^^;)

ペトルーシュカと言えば、超有名な「ロシアの踊り」の階段駆け上り下りの旋律!いろいろな楽器が順を追って奏で、その中から、清水さんのピアノの音がまぶしく輝いて飛び出して、そのあとはまさしく、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。
最初のストラヴィンスキーが弦だけだったのに対し、こちらはフルオケであり、ピアノやチェレスタも入っています。あらゆる楽器のソロや、アンサンブルなどの趣向も多々施され、全曲通して最初から最後まで、オーケストラの醍醐味を堪能しました。

聴いていて面白さ満点の曲でもありますが、見ていても相当に面白い曲でもありましたね。
私とびびは今回、前から3列目のやや右寄りに座っていたのです。
はっきり言ってそこからは弦の方々しか見えず、後ろの管や打の方々はよく見えなかったのですが、それでもさすが金管の王、チューバはその大きさ故、上から突き出たその勇姿がはっきりと見え、目を楽しませてくれました。あの大きなチューバにやっぱり大きいミュートを付け外しするときなんて、失礼ながら「落としたらどうしよう・・^^;」とか
いらぬ心配してドキドキしてしまったり・・・。
そう言う余計なことも思いながら、一方では、全く違うことも思っていました。
このペトルーシュカと言うお話は子供の頃、「バレエ物語」と言う本を読んで衝撃を受けたお話でもありました。
あまりにもかわいそうで救いどころがないお話、読んでとてもショックを受けた、あのお話が曲を聴くとともにどんどんと蘇って来て、胸が痛くなって来たのも事実です。
最後にペトルーシュカの幽霊が現れ、静かな弦のピチカートで曲が終わりますと一瞬、会場は水を打ったような静けさ。そして堰を切ったような万雷の拍手に。

「素晴らしい〜!良かった〜、良かった〜!」と私もびびも声に出して言っていました。
またまた手が痛くなるほど一生懸命、拍手です!(^^♪

指揮者の高関さんも、清水さんも、オケの方たちも力を出し尽くしたと言った感、
アンコールはなく、何度もの答礼のあと、みなさん充実の表情で舞台を去られました。
私たちの心もまた、充実感、充足感で満ち足りていたのは
言うまでもありません。
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by pianoix | 2006-06-25 10:00